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プロジェクト紹介

PROJECT REPORT

レポート・建築が出来るまで

鉄筋コンクリート造

屋根で包む家

RESIDENCE

鉄筋コンクリート造 地上3階建 都心
RC-Structure 3-Storied Heart of the city

広島県建築士事務所協会「第7回ひろしま建築文化賞」優秀賞
中国電力「2012エコ電化住宅作品コンテスト」審査員特別賞
広島テレビ「テレビ派」“お宅拝見”
テレビ新広島「ひろしま満点ママ!!」“おしゃべりマイホーム“

WORKS 作品ARTICLES 掲載記事

プロジェクト始動

住宅プロジェクトが始動です。

このプロジェクトの敷地は間口5.6m・奥行き20mの細長い形状をしています。その敷地に駐車スペースを2台分設けることが出来る様、まず建物全体のボリュームを検討していきます。また、ピット部分を利用した床下収納を設けると共に、屋上には太陽光発電や屋上緑化も可能とし、将来のライフスタイルなどの変化にも柔軟に対応することも考慮し進めていきます。
 

着工・起工式

建築確認申請等の手続きを経て、いよいよ工事が始まります。

敷地には既存の建物が建っていた為、まずは解体工事から始まりました。解体終了後、神式で起工式が執り行われ、クライアント・施工者と一緒に工事の無事を祈願します。
 

試掘 

工事の着工に先立ち、既存建物解体後の敷地で、測量や高低さ等の確認作業を行います。

かつて海底であった広島市中心部は、現在も海抜の低い所にあります。
敷地の状況をしっかりと把握しながら、計画設計、実施設計、現場着工へと工事が進んでいくのです。
 

根切り工事 

現場はまず、地縄張りにて建物の大きさや基準を実際の敷地に写します。

そしてその基準に沿い、根切り・地業へと作業を進めていきます。
基礎をつくる為に地盤を掘削する根切り工事は、地下水位以下の作業となりました。
その為、排水をしながらの作業となり、また地業も同時進行で進められました。割栗石転圧後、捨てコンクリートを打設します。
この上に基礎を組んでいく事となる為、作業はひとつひとつ丁寧に進められていきます。この後工程は、基礎工事へと移ります。
 

基礎配筋

基礎工事では、まず、捨てコンクリートの上に基礎配筋を組んでいきます。

このプロジェクトは、2階の一部が片持ちで約5m出ており、それを支える基礎は、とてもしっかりとした配筋で設計されています。
 配筋完了後、配筋検査を行います。
 配筋検査では、設計図書通りに正確に組み上げられているか検査し、また、地中梁へのスリーブも正しく設置されているか確認します。
とても丁寧に配筋されており、合格です。
その後、工程は基礎ベースコンクリートの打設へと進みます。
 

基礎ベースコンクリート打設

躯体のコンクリート打設は、まず基礎ベースから進めます。

打設に先立ち、現場に運ばれたコンクリートの受入検査をします。 検査項目は、スランプ・空気量・温度・塩化物含有量などを確認します。 躯体の強度や耐久性に大きく影響を及ぼすため、厳しく監理をしていきます。
検査合格後、コンクリート打設へ移ります。作業は敷地奥から手前へと手順良く進められ、午前中には完了しました。
工程はこの後、ベースコンクリート上に墨出しをして、基礎型枠組みへと進みます。
 

基礎型枠組

ベースコンクリート打設後、基礎の型枠を組んでいきます。

このプロジェクトでは、コンクリート打放しの仕上げをすべて普通合板による仕上げとしています。
 塗装合板と違い、場所によってコンクリートの仕上げ面が一枚一枚異なる荒々しい表情になるようにしています。
しかし、型枠の脱型時まで、実際にどのような表情になるかは分かりません。
その為、表面には出てこない地中梁の一部を利用し、仕上がりの確認をします。 脱型時にはどのような仕上げが現れるのかとても楽しみです。
工事は、基礎型枠締め固め後にコンクリート打設へと移ります。
 

基礎コンクリート打設

基礎型枠締固め後、コンクリートの打設へと移ります。

ベースコンクリート打設時同様、コンクリートの受入検査を行います。そして、強固に固められた型枠内に打設していきます。
職人の息の合った施工により段取り良く進められていきました。
 打設完了後、コンクリートの硬化を待ち、いよいよ型枠の脱型に入ります。
 

基礎脱型

コンクリートの硬化、強度確認後、いよいよ型枠の脱型へと進みます。

型枠の外されたコンクリートは、場所によって色や表面の粗さが違っていて、アトリエの塗装コンパネによるものとは、全く違った表情を見せています。
このコンクリートの表情で建築全体が仕上がっていく事を思うと、ますます期待が膨らみます。
 工程はこの後、1階スラブ組みへと移ります。
 

躯体工事

基礎工事終了後、上屋部分の工事に移ります。

まず1階のスラブから始め、2階のスラブ型枠まで、工程は順調に進みます。
このプロジェクトは意匠上、2層目から上のパネル割りが大屋根の勾配と垂直になっています。つまり、型枠自体が斜めになっていて、寸法やセパレーターの位置など1枚1枚異なっています。
職人さんも、この斜めの型枠は初めてとの事で、型枠の製作にも通常の倍以上の手間が掛かりましたが、根気強く、丁寧に組まれていきました。

こうした一連の工程、型枠組み・コンクリート打設・コンクリート硬化後に型枠脱型、という流れを階毎に、スラブ、壁、スラブと積み上げていき、ようやくひとつの建築としてその姿を成していきます。晴れて棟上です。
 

屋根工事 

工程は、外部周りの防水工事へと進みます。

雨水の浸入を防ぐためシートで塞がれていた2つの大きなトップライトにもガラスがはめ込まれ、内部に沢山の光が降り注ぐようになりました。
 

内装仕上げ選定

その後の内装工事に向け、仕上げ材の選定に取り掛かります。

各内部の仕上材には、床材一つとっても、タイル、石、フローリング、カーペットなど様々有り、また、それぞれに素材や色・表面仕上げも異なるため、実際に現物を見て触って、ひとつずつ決めていきます。
数多くある素材の中から用途に合ったものを選定し、広がりのある空間に計画されています。
 

足場解体

内装工事と同時期に、外部では建物を覆っていた足場が解体されました。

それまで足場に隠れていたコンクリートの構造体の力強さと、普通型枠による素朴な風合いが姿を現しました。
建築に息が吹き込まれるこの瞬間は、何度経験しても感動の一言なのです。
サッシ工事も進められ、内部空間が形成されていきます。 

内装工事

内装工事はまず、天井の下地から組まれていきました。

2階の水廻りが集まる空間は、他とは一線を画し、内部は真っ白な仕上げとなっています。その為、その範囲の塗装工事も施されます。
全体が徐々に仕上げられ、プロジェクトは完成までもう一息となります。
 

このプロジェクトの床仕上げは、上階に行くに従い、磁器質タイルから杉板、そしてPタイルへと各層で変化していきます。

玄関横の床の高さが下がった空間にはモザイクタイルが敷き詰められていて、吹抜けを介して繋がる大きな空間の隅々で、様々な空間が展開しています。
その後、各設備機器も設置されていきます。
1階に設置された床暖房と薪ストーブにより、冬には大きな吹抜けと奥の階段を廻り、空気の循環が促されるようになります。

また、夏には建物奥の最上部に設けられたジャロジー窓とハイサイドライトにより、室内の熱せられた空気を外部へ排出されるようになっています。
この大きな吹き抜けは、様々に展開された空間を一つにつなげると同時に、風や光を導く機能も果たしているのです。
 

設計検査・竣工

すべての工程が終了後、設計検査を行います。

引渡し前の最後の検査となる為、傷一つ見逃さないように厳しくチェックしていきます。建具や設備機器ひとつひとつの動作から、床・壁・天井の各仕上げなど、全てのチェックに合格後、いよいよ完成、そしてお施主様へと引渡しとなります。
 

 

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